2024.11.01 お茶について

vol.3 お茶の栄養

vol.3 お茶の栄養

お茶にはさまざまな栄養成分が含まれています。
茶葉の種類によってその含有量は異なりますが、栄養学的には緑黄色野菜と同じようにビタミン・ミネラル豊富な食品といえます。ただ、煎茶や玉露は茶葉にお湯を注いで抽出した液体だけを飲むので、その栄養成分の約3割程度しか取りこめません。
その点、抹茶は碾いた茶葉を飲むので、栄養を丸ごといただくことができます。
今回はお茶の主な栄養素についてご紹介しましょう。

カテキン類(タンニン)


灰分(ミネラル)のうち、水に溶ける水溶性成分で最も含有量が多いもの。ポリフェノールの一種で、お茶の苦みや渋みなど風味のメインをなしています。昔は、渋みのある植物成分を総称して「タンニン」と呼んでいました。けれども化学分析の進歩で、お茶には「カテキン類」という科学的に同様の構造を持つ成分が約20種類あることがわかりました。
茶葉のタンニンは約9割がカテキン類の構造をしているので、近年はタンニンを含めて「カテキン類」と言っています。緑茶や抹茶ではカテキン類とアミノ酸のバランスが味の決め手となりますが、紅茶はカテキンが多いほどおいしいそうです。
ちなみに上級煎茶はカテキン類14.5%に対してアミノ酸類は2.9%、下級煎茶はカテキン類14.6%に対してアミノ酸類1%となっています。なお、カテキン類は80度以上のお湯によく溶け出します。

テアニン


お茶のうまみと甘みの成分である水溶性アミノ酸は、テアニン・グルタミン酸・アルギニン・アスパラギン酸・グルタミン・セリンの6種でほぼ構成されています。
このなかで最も多いのがテアニンで、アミノ酸類の約半分を占めています。
同じツバキ科でも椿や山茶花(さざんか)には含まれていない、お茶だけに含まれるうまみ成分なんです。
このテアニンとグルタミン酸・アルギニンが組み合わさって独特のうまみが生まれます。
テアニンは、茶の根から吸い上げられた栄養が芽吹いたばかりの若芽に集まり、日光を当てるとカテキンに変わってしまいます。そのため覆下茶園で育てた玉露や早摘みの新茶にだけ、テアニンがたくさん含まれているのです。テアニンは低い温度でも溶出するので、苦みやえぐみを際立たせないために50度ぐらいのお湯でゆっくり淹れるとまさに甘露の味わいに。また、暑い季節は水出しでも楽しめます。

カフェイン


植物由来アルカロイドの一種で、覚醒作用と利尿作用があり、集中力を高めたり自律神経を活性化させる効果があるといわれます。ただしアルカロイドは本来、毒性の高い物質なので、大量摂取すると健康に悪影響を及ぼします。
もちろん、毎日お茶を楽しむ程度では問題ありません。
カフェインは若い葉ほど豊富で、抹茶>新茶>玉露>煎茶の順に多く含まれ、ほうじ茶や番茶にはほとんど含まれていません。

その他


お茶にはビタミンも含まれ、特に多いのはビタミンCです。他にビタミンB2、βカロテン、葉酸、ナイアシン、ナトリウム、マグネシウム、リン、カルシウム、鉄なども含まれ、お茶が健康飲料と言われるゆえんです。
なお、泡立つ性質を持つサポニンも含まれ、それで抹茶を点てるときめ細やかな泡ができるんです。

お茶のカロリー


成分表を見てもわかるように、お茶にもカロリーはあります。でも、ペットボトルの表示は0kcalですよね。これは「100mlあたりのカロリーが5kcal以下なら0kcalと表示できる」という栄養表示の基準に則っているからです。

CHABANASHI いかがでしたか?
暮らしを彩る「ちょっとタメになる話」になっていたら幸いです。
さまざま角度からお茶の魅力を伝えていきますので、次のお話もどうぞお楽しみに。


今日はこれまで。
ほな、さいなら。