京都府南部、山城地域は茶どころで「お茶の京都」と呼ばれます。
ですからお茶にまつわる年中行事も、いろいろ開催されます。
今回はそのなかで、秋に行われるお祭をご紹介しましょう。
茶祖の遺徳をしのび多彩に「宇治茶まつり」
栄西禅師・明恵上人・千利休という3人の茶祖をしのんで開催される、宇治市きっての大きなお祭です。当日は秀吉が宇治橋から茶の水を汲み上げた故事にちなむ「名水汲み上げの儀」や興聖寺で行われる「茶壺口切りの儀」「御献茶式」「茶筅塚供養」のほか、宇治上神社に茶席と点心席が設けられます。また、橘島では簡易な茶香服や抽選会などが開催され、お茶づくしの一日を過ごすことができます。
宇治茶まつり
開催日:毎年10月第1日曜 9:00~15:00
場所:京都府宇治市 宇治川畔一帯
電話:0774-23-3334(宇治市観光協会)
※当日の茶券は、宇治市観光協会・宇治市商工会議所・宇治市内の茶舗などで販売されます。

一休さんゆかりの寺にて「京田辺市茶まつり」
京田辺市は高級茶葉の産地で、全国茶品評会の玉露部門で農林水産大臣賞を何度も受賞しています。さて、一休禅師が終の棲家として余生を過ごした酬恩庵は、一休寺という愛称で親しまれています。その参道で特産の玉露を味わい、手もみ製茶の実演を見たり、お茶の淹れ方教室に参加したりできます。玉露の無料配布もあるそうですよ。
京田辺市茶まつり
開催日:毎年10月第2日曜 10:00~15:00
場所:京都府京田辺市薪里ノ内102 酬恩庵(一休寺)の参道
電話:0774-64-1362(京田辺市農政課)


江戸時代を代表する茶人を偲ぶ「松花堂忌茶会」
江戸時代の優れた文人で茶人だった松花堂昭乗ゆかりの庭園で、国の名勝に指定されている「松花堂庭園」では、毎月第2日曜にお茶会が開かれます。命日は9月18日(新暦で10月14日)のため、毎年10月には遺徳を偲んで盛大に行われます。茶室と美術館に釜が掛けられて裏千家・表千家のお点前を頂戴できるほか、園内に併設されている京都吉兆には点心席が設けられ、元祖と言うべき松花堂弁当がいただけます。
松花堂忌茶会
開催日:毎年10月第2日曜
茶席:9:00~15:00(点心席は10:30~14:30)
茶席券:6,500円(本席・副席・点心席)
場所:京都府八幡市八幡女郎花43-1 松花堂庭園
電話:075-981-0010
※茶席券は毎年8月上旬から販売開始で今年の分は完売しています。

希少なお茶が味わえるかも「宇治田原ふるさとまつり」
緑茶の製法が生み出された宇治田原町で、里人のもてなしを受けるなごやかな一日です。わずかしかできない宇治田原産の最高級茶葉を用いて茶名人が淹れる呈茶席や、お茶の手もみ実演・体験、お茶の淹れ方講座、緑茶をはじめ地元特産物・農産物の販売もあります。
宇治田原ふるさとまつり
開催日:毎年10月15日前後の日曜 10:00~15:00
場所:京都府綴喜郡宇治田原町岩山小字沼尻46-1 宇治田原町総合文化センター
電話:0774-88-6638(宇治田原町産業観光課)

重文の社殿を見てお茶を満喫できる「城陽茶まつり」
城陽市を代表する神社、荒見神社。江戸初期に建造された檜皮葺の本殿は市内最大の威容を誇り、国の重文に指定されています。ここで10月第3日曜に開催される茶まつりは、本殿で祭神への呈茶に始まり、邦楽の演奏、おいしいお茶の淹れ方教室、茶席・茶蕎麦席、各種茶や茶製品・生菓子の販売、抽選会などがあってとても賑わいます。
城陽茶まつり
開催日:毎年10月第3日曜 9:00~15:00
場所:京都府城陽市富野荒見田165 荒見神社
電話:0774-56-4005(城陽市農政課)

※いずれも日時・料金は前回のデータで、改訂されることがあります。
CHABANASHI いかがでしたか?
暮らしを彩る「ちょっとタメになる話」になっていたら幸いです。
さまざま角度からお茶の魅力を伝えていきますので、次のお話もどうぞお楽しみに。
今日はこれまで。
ほな、さいなら。