vol.2 お茶にはどんな種類があるんだろう? 続き
お茶の種類は多彩で、大きくは茶葉を発酵させない緑茶と、発酵させて作る青茶や紅茶などに分類されます。
さらに茶葉のグレード、加工の種類、発酵の程度、淹れ方・飲み方によっても分けられ、それぞれに素敵な風味をもっています。
今回は抹茶と、発酵させて作るお茶についてご紹介します。
抹茶 MATCHA
玉露と同じように覆下茶園で、カテキンが出ないようにして栽培した茶葉を用います。
育った茶の新芽は、茎を残して葉の部分だけを指先でしごくように丁寧に摘みとり、軽く蒸します。
そしてもまずに空気で吹き上げながら乾燥させ、炉で高温乾燥させます。
こうすると、まるで青海苔のような形状の「碾茶(てんちゃ)」が出来ます。
碾茶を臼で微粉末にひいたものが「抹茶」で、茶を丸ごと飲むため栄養価が高いのです。
カフェイン含有量はお茶で最多ですが、テアニンと同時に摂れるので集中力をアップさせながらリラックス効果も見込めるそうです。
碾茶はもむ工程がないので、煎茶のように淹れてもなかなかお茶の成分が抽出できません。
でも、ふりかけとしてご飯に混ぜると、香り高い「茶飯」が楽しめます。
あまり市販されていませんが、入手できたら試してみてくださいね。
- 薄茶 USUCHA
茶筅でシャカシャカ点てていただく抹茶。通常「抹茶」というとこちらを指します。
淡い緑色で、さっぱりすっきりした風味をもっています。
- 濃茶 KOICHA
苦みや渋みが少なく甘みの強い、最高品質の碾茶から作ります。
薄茶の3倍量ほどの抹茶を少ないお湯で練るためとろりとしていて、深い緑色と濃厚なお茶の味わい、上品な香りが堪能できます。
正式な茶事で使われるハイクオリティで高価な抹茶なので、これをスイーツに使うのはたいへんな贅沢なんですよ。
半発酵茶 SEMI-FERMENTED TEA
茶葉を摘みとったあと風通しのよい場所に放置しておくと、自然にしおれてきます。
この工程を萎凋(いちょう)といい、しおれる間に発酵=酸化して香りが強まります。
途中で加熱して発酵を止めると、茶葉が銀青色に見えることから「青茶(ちんちゃ)」とも呼びます。
発酵度合いは15~80%と幅広く、その程度によって風味がとても変わります。
- ウーロン茶 OOLONG TEA
半発酵させた青茶の代名詞。
台湾の代表銘柄は凍頂烏龍茶で、中国福建省・安渓県を中心に生産されているのは鉄観音、福建省北部の武夷山市に産する希少かつ高価なお茶が武夷岩茶です。
- 文山包種茶 WEN SHAN POUCHONG TEA
台湾の台北近郊で生産される烏龍茶の代表格。発酵は15%と軽く、清々しい花の香りがします。
- プーアル茶 PU-ERH TEA
青茶と製造工程が異なり、製茶した後、まだ湿っている茶葉を高温多湿の環境で寝かせて発酵させる「黒茶(へいちゃ)」の代表格です。
発酵茶 FULLY-FERMENTED TEA
完全に発酵させたお茶。しっかり発酵すると赤褐色になるので「紅茶」と呼ばれます。
新芽を蒸さずに萎凋(いちょう)でしっかり水分を抜くと同時に発酵させ、よくもむとさらに発酵が進みます。
完全に発酵したら乾燥させます。
世界で最も多く飲まれているお茶で、中国から英国へ渡り、植民地を中心に栽培と製法が広がりました。
茶葉の形状によって等級があり、等級と産地によってさまざまな風味が楽しめます。
- 和紅茶 JAPANESE BLACK TEA
国産の茶葉を国内で製茶した紅茶を「和紅茶」と呼びます。
紅茶専用の品種から作ったり、緑茶の茶葉から作ることもありますが、全般に渋みが少なくまろやかな味わいが特徴です。宇治でも紅茶は作られています。
CHABANASHI いかがでしたか?
暮らしを彩る「ちょっとタメになる話」になっていたら幸いです。
さまざま角度からお茶の魅力を伝えていきますので、次のお話もどうぞお楽しみに。
今日はこれまで。
ほな、さいなら。