新茶の季節ですが、和紅茶も新茶が出そろう季節から収穫・製造を始めます。
日本で生まれ育った「和紅茶」だけに、和菓子との相性も抜群。
緑茶や外国産紅茶にはない、和紅茶ならではの魅力を確かめてみましょう。
茶葉も工程も純国産の「和紅茶」
茶話のはじめに紹介したように、紅茶とは完全発酵させたお茶です。茶の新芽を蒸さずにわざとしおれさせる萎凋で水分をしっかり抜き、次の揉捻という工程でよくもんで葉の形を整えます。両工程で茶葉の発酵が進み、茶葉に含まれるカテキンが酸化して美しい褐色に。味も香りも華やかに変化するのです。
茶葉の育成から加工まで、すべて日本で行ったものを「和紅茶」と呼びます。外国産はアッサム種がメインで、3~11月ごろに収穫・製造します。和紅茶は日本固有の品種(在来種)ですが茶園によってさまざまなので、風味もバラエティに富んでいます。それを4~9月に摘んで製造するため原料の品質が揃い、ほとんどが緑茶と同じく摘んだ茶葉に手間をかけて製造するリーフ茶ですから、上質な味わいを楽しめます。

ぜひストレートで味わって
和紅茶に共通して言えるのは、まろやかさです。日本の穏やかな気候風土で育まれた茶葉は、外国産に比べて渋みも香りも穏やかでやさしい風味をもっています。とりわけ宇治茶の本場・京都府和束町で作られた和紅茶は、玉露や上級煎茶になる茶葉の品質と巧みな栽培技術、そして匠の製法により、旨みと香り成分が多いのです。
その特徴を活かすには、外国産紅茶よりやや低め、85度~92度ぐらいのお湯で淹れるのがおすすめ。ポットに入れる茶葉とお湯の量・抽出時間は袋の表示を守り、温めたカップに注ぎましょう。
丁寧に淹れた和紅茶は美しい琥珀色に輝き、カップの内側には良質紅茶のあかしである金色の輪「ゴールデンリング」が見えます。香りは若々しく爽やかで、渋みが少なくほんのり甘みがあって、すっきりした味わいです。この和紅茶ならではの魅力を堪能するためには、ぜひストレートで味わってほしいもの。目を閉じて味わえば、エキゾチックな香りの向こうに、青々と広がる日本の茶畑が浮かぶはずです。

「玉露茎ほうじ茶」も幅広く楽しめる
和紅茶のもう一つの魅力は、日本で生まれ育ち、緑茶と同じ茶の木からできているだけに、和菓子との相性が良いことです。どら焼きやまんじゅうなどのあんこものと合わせると、とりわけおいしく感じられます。もちろんクッキーやケーキなどの洋菓子ともばっちりですから、ストライクゾーンの広いお茶と言えますね。
もう一つ、ストライクゾーンの広いお茶に「玉露茎ほうじ茶」があります。覆下茶園で日光を遮って育てた茶の新芽で作る玉露は、旨み成分・テアニンたっぷりで独特の甘みと旨みを蓄えています。茶寮翠泉の玉露茎ほうじ茶は、手摘みした玉露の一番茶から茎だけを選んで浅めに焙じています。そのためほうじ茶特有の芳ばしさに、玉露ならではの上品なみずみずしい香りが重なります。口に含めば苦味や渋味はほとんどなく、まろやかな旨みと甘さが舌に広がって、オンオフどちらの時間にも満喫できますよ。

コラムでご紹介した京都府和束町の和紅茶、玉露茎ほうじ茶、お茶に合う茶菓子は、当店オンラインショップからもお買い求めいただけます。

京の和紅茶ティーバッグ(3g×8袋入り)|茶寮翠泉オンラインショップ

玉露茎ほうじ茶(60g)|茶寮翠泉オンラインショップ

玉露茎ほうじ茶ティーバッグ(2.5g×10袋入り)|茶寮翠泉オンラインショップ

もちもちお抹茶三笠(10個入り)|茶寮翠泉オンラインショップ
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暮らしを彩る「ちょっとタメになる話」になっていたら幸いです。
さまざま角度からお茶の魅力を伝えていきますので、次のお話もどうぞお楽しみに。
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