vol.1 お茶にはどんな種類があるんだろう?
お茶の種類は多彩で、大きくは茶葉を発酵させない緑茶と、発酵させて作る青茶・紅茶・黒茶などに分類されます。
さらに茶葉のグレード、加工の種類、発酵の程度、淹れ方・飲み方によっても分けられ、それぞれに素敵な風味をもっています。
一般に「日本茶」というのは発酵させない「緑茶」のこと。
摘み取った茶葉を新鮮なうちに蒸して、もんで、乾燥させて作り、できた茶葉にお湯を注いで味わいます。
今回はこの「緑茶」から、主な種類をご紹介しましょう。
煎茶 SENCHA
日本茶=緑茶の代名詞的な存在で、日本の緑茶生産量の6割近くを占めています。
摘み取った茶の葉が新鮮なうちに加工して発酵を止め、新緑のようにみずみずしい風味を楽しめるお茶です。
蒸す程度によって水色(淹れたお茶の色)が濃くなり、浅蒸しは黄緑っぽく、深蒸しは濃い緑色になります。
- かぶせ茶 KABUSECHA
新芽を1週間ほど被覆栽培して作ったお茶。
玉露のような旨みと煎茶の爽やかな味わいが同時に楽しめます。
- 釜炒り茶 KAMAIRICHA
九州地方に多い加工法で、茶葉を蒸さず釜で炒ります。
青臭みがなく甘やかな釜香(かまか)がします。
玉露 GYOKURO
覆下茶園といって、お茶の新芽が出るときに日光を遮る「被覆栽培」を半月以上行います。
茶葉には旨みと甘みをもつアミノ酸の一種「テアニン」が含まれています。
これが日光を浴びると、光合成で苦みや渋みを持つ「カテキン」に変わって緑茶独特の風味になります。
けれども日光をカバーするとテアニンがそのまま残され、濃い旨みと甘みが味わえるのです。
また、覆い香という高貴な香りも楽しめます。
ほうじ茶 HOJICHA
茶葉を強火で焙煎し、こうばしさを出したお茶。
高温で焙じるためカフェインが飛んでしまい、苦みや渋みもやわらぎます。
また、焙煎で生じた香りにはリラックス効果があるといわれ、夜に飲んでも安眠できるお茶、食後に飲むお茶として親しまれています。
玄米茶 GENMAICHA
煎茶に炒った玄米を加えて、煎り米の香ばしさを楽しめるお茶。
香ばしさで苦みや渋みがやわらぎ、飲みやすくなっています。
また、煎茶よりはカフェインもやや少なめです。
番茶 BANCHA
「番外編の茶葉」あるいは「普段の茶(番は日常とか粗末なという意味)」という意味で番茶といいます。
煎茶にできない長けた葉や、選別ではねた大きな茶葉を加工した、高級でない普段飲みのお茶。さっぱりした風味が好まれます。
京都では新芽収穫後の茶を枝ごと刈って強火で炒り、スモーキーな風味を出した「京番茶」が愛飲されています。
CHABANASHI いかがでしたか?
暮らしを彩る「ちょっとタメになる話」になっていたら幸いです。
さまざまな角度からお茶の魅力をお伝えしますので、次のお話もどうぞお楽しみに。
今日はこれまで。
ほな、さいなら。